地域によっては、紅葉子(もみじこ)とも呼ばれるように、赤くて当たり前の辛子明太子でしたが、「海工房」では、一貫して無着色辛子明太子を作っています。それは、創業当時より生協の製品を作らせていただいていたこともあり、不必要な着色料は使わず高品質な辛子明太子を目指しているからです。
そのためには、無着色の製品にふさわしい原料の卵を選別することが必要になります。色見を着色料で調整することをしないので大切な工程です。色見の悪い黒ずんだもの(黒子)、胆汁が付着して緑色に変色したものは手作業で選別し、外されます。
一貫した基準を変えず、常に一定のレベルを保った無着色辛子明太子を作り続けることが大切だと考えます。
味の好みは十人十色。その人が美味しいと思うものが、その人にとって一番良い辛子明太子だと思います。「海工房」では、特に凝った味付けというより、お年寄りからお子様まで喜んで食べて頂ける味に仕上げております。いつも食べていても飽きが来ない素直なおいしさを目指しております。
さらに辛子明太子を美味しいと感じる要素に粒子感(つぶつぶ感)があります。原料のすけとうだらの魚卵の質を繰り返しチェックし、一定の基準に達した原料のみを使用しています。
ひとつひとつの丁寧な工程を経て、プチプチの美味しい無着色辛子明太子が出来ます。
辛子明太子の定義は「辛子めんたいこ食品の表示に関する公正競争規約」第2条で「すけとうだらの卵巣に唐辛子を主原料とする調味液で味つけしたもの」と定められています。しかしながら、すけとうだらの卵にいきなり辛子明太子の調味液に漬け込むのではなく、まず塩ベースの1次調味液で漬け込みます。それで出来るのが「たらこ」です。当然、辛味はありません。
これはこれで美味しいのですが、この「たらこ」をさらに唐辛子を含んだ2次調味液にじっくり漬け込んでやっと旨味と辛さが絶妙な「辛子明太子」が出来あがります。
新鮮なうちに凍結された「すけとうだらの卵」を解凍するところからスタートして、辛子明太子の製品になるまで10日かかります。
おいしいものを造るのは、時間がかかるものなのです。